展示パネルの作成ウラ話

写真展のパネルは自家製作しました。

この記事のパネルは事前に予行練習として春先に作成したものです。
実際の展示品と同じ仕様です。
写真は業者に発注し、銀塩印画紙にプリントしていただきました。フジカラーのプロフェッショナルペーパー 半光沢紙(ラスター)です。

いわゆるハレパネは、のりパネという商品のハイブリッドG 7mmというタイプです。
一般的なスチレンボードより固く、ソリやフクレが抑えられるというのがうたい文句です。
ハレパネの制作は、貼ってから余分な部分をカットするのが一般的かと思います。
しかし今回はフチなしの銀塩写真を使うので、写真自体をカットする気はありません。
きっちり写真のサイズに合わせて、先にパネルをカットします。

このパネル固いので1回でスパッとカットすることはできません。力を入れすぎずに10回ほど刃を滑らせてようやく切断。

写真ではオルファのグッドデザイン賞モデルを転がしてありますが、これではダメです。
ちゃんと刃がロックできるものを使いましょう。固定さえできればごく普通のカッターで充分です。

ちなみにカッターマットもオルファのもの。
定規はこちらです。
刃を当てるのは目盛がない側です、念のため。
パネルがカットできたら、そこに写真を貼り付けます。
こののりパネは剥離紙が手で割けます。
貼ってからカットするなら、真ん中のから順に貼っていきます。
ただ今回は、あらかじめ同じサイズにカットしたので、ピッタリと位置を合わせるために、端から貼りました。
お次はゲタです。
業者の作るパネルのゲタを見ると、枠の形が一般的な気がしましたが、今回はコストカット&軽量化のために、その名の通り下駄状に設置することにしました。

素材は、バルサの2cm角材です。
とても軽い木材です。
切断には糸ノコや刃の薄いノコギリを使用しましょう。カッターでも切れるぐらいの材質なのですが、角材ともなるとカッターは少し無理がありました。

接着にはお馴染みの木工用ボンドの多用途タイプを使いました。
このボンドの場合、重しをしてまる1日は静置するのが無難です。
今回は吊るしではなく、粘着材で壁に貼り付けることにしたので、軽量化にこだわっています。
あと、自分で運んで搬入、搬出することを想定すると、今回枚数も多いため、できるだけ軽くしないと対応できなくなってしまいます。
壁へ貼り付けには、3Mのコマンドタブを使います。
80枚入りのお徳用!
もう一回り小さいサイズだと120枚入りがありましたが、耐荷は2倍ほど違うので、2cm角材にちょうどいいこちらのサイズに。

この商品、新発売のころから愛用してて信頼してます。家では壁掛け時計なんかこれで設置してますけど、落ちたことはないです。
剥がすときは粘着テープを横に引っ張るんです。ユニークですよね。

で、これをゲタの四隅に付けて、壁に圧着します。
上2箇所でも充分な気もしますが、展示中に落ちたりしたら興ざめなので、保険です。


【後日談】後述しますが、この展示方法にコマンドタブは向いてなかったです。

お勧めしませんのでご注意を!

ゲタがあることによって壁から浮いて、ずっと見映えが良くなります。

さて、これは予行練習。
このまま放置して、いったいどのくらい持つのか経過観察をします。

本来、スチレンボードのパネル写真というのは使い捨て覚悟の短期展示向けなんです。
でも今回の素材であれば、はてさてどのくらい?

ただいま、2019.04.01。そう新元号の発表のあった日です。

 ・
 ・
 ・


さて、令和もひと月余り過ぎたころ、、つまり2ヶ月経過しました。

見ての通り、特に劣化の兆候は見られません。

ある程度の長期間展示に耐えうるパネルであることが確認できました。

このまま夏過ぎまで飾って経過観察しましょう。


 ・

 ・

 ・

2019.12.02。搬入前日。

もはや写真を撮るまでもないほど、ピンピンしてます。

たぶん、この先もほぼ劣化せずに飾っておけるような気がしますね。


これと同じ仕様で明日、設営いたします。


…ただ、実際に展示して分かったことがあります。

コマンドタブは貼り直しが効かないので、微調整ができないということです。

ちょっとでもズレたら完全にはがして新しいので貼らないといけません。

なるほど、ひっつき虫(練りケシ状の粘着剤)が有力選手なわけです。


では、ご来場お待ちしております。


【後日談】

コマンドタブはこの展示には向いてなかった!

搬出作業のためパネルをはがしていたのですが、とても大変でした。

横に引っ張るとはがれるのですが、パネルとパネルの間隔がせまかったり、壁の隅が近かったりすると、引っ張るためのスペースがないので苦労しました。

あと、ある程度予想はしていたのですが、ゲタがあるのでパネルと壁の間に指を入れないといけないのが大変でした。ラジオペンチとか持って行っても一苦労でしたね。

ゲタがなかったらベロの部分が見えてしまうので美しくないですしね。

1時間しか時間がなかったのもあるのですが、作業が雑になってしまって、いくつかパネルを傷つけてしまいました。

たぶん次回は「ひっつき虫」を使うと思いますよ。


ご来場ありがとうございました。


夢月風鈴

Amateur Photographer