現像用PC - 2024 -

現像用PCを新調しましたので、そのスペックを公開します。


そもそも現像用PCの定義って何でしょうか?

その答えはズバリ、光らないゲーミングPCです。はい、解散。

なかば冗談ですが、さほど外してもない…かもしれません。

ゲーミングPCで現像は可能と思われますし、そのスペックは近似といえるでしょう。

しかし、オーバースペックであったり、もしかしたら足りない部分もあるかもしれません。


ところで新調した理由ですが、今までのPCはそこそこ使えているものの、力不足を感じだしたからに他ありません。

旧PCは2018年に組んだものです。6年前ですね。

最近ではPCの寿命は3年とかまことしやかに語られているようですが、個人的には10年は持たせたかった。

普段使いならまだまだ現役ですよ。故障もなく。

ともあれ、それを阻むのは、Lightroom Classicが進化し負荷がどんどん上がってきたことにあります。

サブスクにより常に最新の機能を入手できる環境を享受していますが、ハードもまた追随させないといけないジレンマですね。

そんなこんなで、この2024年度下期のベストプラクティスとなるべきスペックを検討し、組み立てました。

どうぞ、ご参考あれ。

詳細に入る前に今回のPCのポイントを。

それはまず、光らないこと。これです。

ゲーミングPC全盛。カラフルにぺかぺか光らせることこそ正義。そんな時代に逆行してる?

いやいや、現像ならではの理由です。

私の場合、デスクライトに高演色LEDを採用しています。

プロ並みの環境を整えているわけではありませんが、それなりに光(色)に気を使って現像しているわけです。

そんな隣でぺかぺかと軽薄な色を発光されたんじゃぁ元も子もありません。

だから光らせない。もっとも、こんな馬鹿デカいものは机の下に置きますが。

次にサブテーマとも言うべきポイント、それは「時代は背面コネクトでしょ?」です。

こちらについて追々語らせてもらいましょう。

ハイエンドは求めていませんが、妥協もしていません。そんなスペックの紹介です。


◆ケース 

Antec FLUX

背面コネクト対応で、今はやりのガラス張りのものです。

光らせないのになぜガラス?と思われるかもしれませんが、背面コネクト自体が光らせたいニーズに合わせて登場したものとも言えるので、背面コネクト対応なのに見せないタイプのケースは選択肢が非常に少ないです。

でも、光らなくたって見えたほうがカッコイイでしょ??

まぁ、机の下に置くんですけど。

ミドルタワーですが、旧時代のミドルタワーよりもひと周りも大きいですね。なかなかの圧迫感。


◆CPU 

Intel Core i7-14700KF (BX8071514700KF)

LightroomはGPUよりもCPUの方が重要となってきます。ここの処理能力をグンと上げてやります。

ただ、i9との価格差を踏まえてコスパを考えると、まだi7の時代な気がします。

Adobe製品はi9よりi7がいいなんていう情報もありますが、眉唾みたいなのでご注意を。

それよりも後ろの数字が大きいものがいいというのはある程度真理かと。

なお、当然グラフィックボードを載せるので、CPUは内臓GPUを持たないものをチョイス。


◆マザーボード

msi B760M PROJECT ZERO

背面コネクトは黎明期。

対応マザーボードはまだまだ数が少ないようです。

なので最新に飛びついたことになるのですが、私から言わせればようやく作り始めたの??って感じです。

なぜかパーツが光るようになって、ケースをガラス張りにするようになって、ようやくケーブル類が邪魔なことに気づいたのでしょう。

ゲーミングPCブームが去るまでに背面コネクトが定着することを願います。

ところで、背面コネクトを選ぶことによって価格が少し上がってしまいます。価格を抑えたい場合は避けたいかもしれません。でも、選ぶ価値ありますよ?


◆水冷

Arctic Liquid Freezer III - 360 (ACFRE00136A)

水冷CPUクーラーはもっとも光るパーツの一つ。

そんな中、光らないクールなヤツがこいつです。

PCケースの次にデカいです。

CPUクーラーはまだ空冷もあるようですが、それってケースに水冷ラジエータを載せられない人用なんですかね?

そうでなければ水冷一択ですよね。

数年後にはグラボも水冷になっていると予想します。


◆グラフィックボード

msi GeForce RTX 4070 VENTUS 2X E 12G OC

CPUでも書きましたが、LightroomはGPUよりCPUの方が使われます。

しかし、全く使われないわけでなくGPUアクセラレーションがかかっています。

Lightroomの設定項目にもあるので、ちゃんと効く設定になっているか確認しましょう。

今後の進化でより活用されるようになってくるかもしれません。

そんなこんなで軽視していいものでもありません。

まぁ、ゲームもやってみようかなという思いが含まれててもしますが…

来年2025年には次世代のものが出荷されるようなので、このあたりの在庫はお手ごろになっているかもしれません。


◆メモリ

Crucial CP2K16G56C46U5

DDR5 PC5-44800 16GB 2枚組

マザーボードありきで選定しているので、対応のDDR5をチョイス。

DDR5とDDR4は互換性がないので注意しましょう。

正直、DDR4でも十分だとは思います。

容量は32GB。フルサイズのRAWデータを何枚も扱っているわけなので、より多いほうが吉。

メモリの速度は軽視されがちな気がするのですが、大容量のデータをぶんぶん振り回すなら、早さはじんわり効いてくると思います。


◆SSD

SAMSUNG 980 PRO MZ-V8P2T0B/IT

M.2 NVMe 内蔵SSD / 2TB / PCIe Gen4x4

SSDは2TBです。

前回のPCは250GBですよ?いつの時代?

前回はシステム用ストレージとしてSSD。データストレージはHDDという構成でした。

もうHDDはいりませんね。

前回のHDDはそのままデータ移行用に引っ越しさせたのですが、もはやバックアップの用途にしか使われないことでしょう。

しかも1TBのHDDなので完全に逆転しちゃいました。

ちなみにHDDは、PCケースの下部にシャドーベイがあり、隠れたところに電源共々、配置する形です。


◆電源

Antec GSK750 ATX3.1

今回の構成だと650Wもあれば足りますが、余力を残して750W。

こだわりポイントは、フルモジュラータイプを選んだことです。

電源モジュールから使いもしないコードがびろ~んと伸びてるのは、前々から忌々しく思っていました。今回ケーブルの取り回しにこだわったのだから、当然元から断つ仕様です。


◆OS

Windows 11 Home 日本語版 (HAJ-00094)

私みたいに古い自作の知識がアップデートできていない人は注意したいのが、今はもうDSP版を買う時代じゃないってこと。

DSP版はCPUなどパーツとセットで買うことで安く手に入るWindowsのことなんですが、過渡期なんでしょうか、今は逆転現象が起きてDSP版の方が高くなってたりするので危険です。

DSP版はDVDしかないので、光学ドライブをつけない今はわざわざ買わないと思いますが、昔のドライブをまだ持っている人がハマる落とし穴です。

正規版のUSBメモリの方が楽ですし、インストールPCに制約がなくなりますし、おまけに安いです。

あとネットの変に安い怪しげなライセンス販売には近づかないように。


◆◇◆ 完成 ◆◇◆

そしてそして、完成したのがこちら!

ほら!どうです?ケーブルがほぼない!

水冷のチューブと、GPUの補助電源ケーブルだけですね。

水冷制御用のケーブルも見えてますが目立ちませんね。

これが背面コネクトの実力です。


■GPU電源コード

GPUの補助電源コードにはこちらのコードを別途調達しました。

長さが足りなかったのではなく、あくまでも見栄えのためだけです。

電源モジュールについている二股のコードって前から気に食わなかったんですよねぇ

本当は延長じゃなくていい感じのが欲しかったのですが、なかなか見当たらず結局延長タイプになってしまいました。


■GPUサポートステイ

今回のmsiのRTX 4070は1kgをきっており、長さも短いため、支柱がなくても大丈夫そうではあるのですが、念のため、今後のため、サポートステイも調達しました。

ほんとは長尾製作所のものが欲しかったのですが、今回のグラボにはミスマッチであろうと判断。

msiのRTX 4070はファン周りのデザインが流線形になっていて、支点となるスペースなかなかありません。

そんな中、うまくいきそうなものがこれでした。

先ほどのケース内写真を見ていただくと、グラボの角の部分をちょうど支えられているのがわかるかと。

知らないブランドでしたが、美観を損ねないデザインだと思ったのでチョイス。

なによりも光らないw



◆◇◆ Lightroomデータ移行 ◆◇◆

Lightroomのデータ移行は実に簡単にできます。

まず、Adobe Creative Cloudフォトプランでは、Lightroomなどのソフトを2台のPCにインストールすることができます。

なので旧PCのことは気にせず、新PCにLightroomをインストールすることができます。

あとはデータです。


私の場合、カタログデータと現像中のRAWデータはシステムストレージ(SSD)、現像後のRAWや出力したJPEGやはデータストレージ(HDD)、という使い方をしていました。

なので、SSDに入っているカタログデータをそのまま、HDDにコピペするだけです。

SSDにもカタログを残しておくことで、万が一の時のバックアップになります。

あとはHDDを新PCに載せるだけです。

新PCでカタログデータをHDDからSSDに移動させてやります。

そのカタログをLightroomに読ませてやれば、完全移行の完了です。

HDDに残ったRAWやJPEGは好みに合わせて配置換えすればよろしいかと思いますが、私の場合は過去の写真をほじくり返したりすることはあまりないので、そのままHDDに安置してあります。


ガラスが貼ってある状態だとこんな外観です。

まぁ、机の下に置くんですけどね


ではでは、良き現像ライフを。